副作用とは、本来の目的(主作用)ではない作用のことを指します。通常はネガティブな表現として使われます。
薬の作用メカニズムは種類によって様々ですが、体の中のあるタンパク質の働きを抑えたり、逆にあるタンパク質の働きを活性化したりして病気の原因を取り除きます。また抗ウイルス薬や抗菌薬が、病気の原因であるウイルスや細菌に直接働きかけるように、従来の抗がん薬はがん細胞に直接働きかけます。この2つの大きな違いは、ウイルスやある種の細菌は外敵であるのに対し、がん細胞は元々自分自身の正常な細胞ががん化してしまったものです。そのためがん細胞と正常な細胞は、ウイルスと細胞ほどの違いはなく、薬ががん細胞と正常な細胞の区別がつかないと、正常な細胞も攻撃してしまいます。抗菌薬にしても、従来から体の中にいる腸内細菌などを攻撃してしまうことで、副作用として下痢の症状が見られることがあります。
薬を正しく使っていても副作用が伴うのは、そのような理由があります。
